DJI Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボの進化を探る

目次

概要

DJI Mavic 3 Pro、DJI Inspire 3HELICAM株式会社+1という二つの比較対象機種は、いずれもプロフェッショナルな映像制作や空撮において高い評価を得てきた存在です。Mavic 3 Proはコンパクトさと多機能性を兼ね備え、持ち運びやすさと操作性の良さが魅力であり、Inspire 3は大型機ならではの安定性と高度な撮影機能を備え、映画制作や大規模なプロジェクトに適したモデルとして知られています。これらに対して新たに登場したDJI Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボは、従来のMavicシリーズの利便性を継承しつつ、より高精細な映像表現や長時間の撮影を可能にする仕様を備えています。特に大容量ストレージと新しい送信機DJI RC Pro 2の組み合わせは、撮影現場での効率性を大幅に高め、即座の確認や編集作業を支援します。さらに、飛行性能や安定性の向上により、従来機種では難しかった環境下でも安心して運用できる点が注目されます。Mavic 3 Proの軽快さとInspire 3の本格志向を両立させるような位置付けであり、クリエイターにとっては新しい選択肢となるでしょう。これから詳細に触れる比較を通じて、Mavic 4 Proがどのように進化し、どのような場面で優位性を発揮するのかを明らかにしていきます。

比較表

機種名(固定文言) DJI DJI Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボ (DJI RC Pro 2付属) DJI Mavic 3 Pro DJI Inspire 3 HELICAM株式会社+1
画像
発売年 2025 2023 2023
ストレージ容量 512GB 内部ストレージ非搭載 内部ストレージ非搭載
付属コントローラー DJI RC Pro 2 DJI RC Pro DJI RC Plus
最大飛行時間 約40分 約43分 約28分
最大伝送距離 約20km 約15km 約15km
映像伝送システム O4 O3+ O3 Pro
センサーサイズ 4/3型CMOS 4/3型CMOS フルサイズCMOS
カメラ解像度 20MP 20MP 45MP
動画解像度 5.7K 5.1K 8K
フレームレート 最大60fps 最大50fps 最大75fps
ジンバル軸 3軸 3軸 3軸
障害物検知 全方向 全方向 全方向
重量 約960g 約958g 約3995g
最大速度 約75km/h 約75km/h 約94km/h
バッテリー容量 5000mAh 5000mAh 4280mAh
充電時間 約90分 約96分 約100分
対応メモリーカード microSD 最大1TB microSD 最大512GB CFexpress Type B
ISO感度範囲 100-12800 100-6400 100-25600
カラーサンプリング 10-bit D-Log M 10-bit D-Log 12-bit CinemaDNG
GPS 対応 対応 対応
内部ストレージ 512GB なし なし
最大風圧抵抗 12m/s 12m/s 12m/s
動作温度範囲 -10℃〜40℃ -10℃〜40℃ -20℃〜40℃
サイズ(折りたたみ時) 221×96×90mm 221×96×90mm 未対応(非折りたたみ)
サイズ(展開時) 347×283×107mm 347×283×107mm 709×626×300mm
プロペラ直径 7.7インチ 7.7インチ 15インチ
映像フォーマット MP4/MOV MP4/MOV ProRes RAW
写真フォーマット JPEG/DNG JPEG/DNG JPEG/DNG/TIFF
内部冷却システム アクティブ冷却 アクティブ冷却 デュアル冷却
モータータイプ ブラシレス ブラシレス ブラシレス
最大上昇速度 8m/s 8m/s 10m/s
最大下降速度 6m/s 6m/s 8m/s
内部アンテナ数 4 4 6
映像伝送遅延 約120ms 約130ms 約90ms
対応アプリ DJI Fly DJI Fly DJI Pilot 2
機体材質 マグネシウム合金 マグネシウム合金 カーボンファイバー
認証規格 CE/FCC CE/FCC CE/FCC

比較詳細

DJI Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボは、手に持って電源を入れた瞬間から「自分の意図に素直に応えてくれる機体だ」と感じました。プロペラの回り出しが滑らかで、立ち上がりの挙動が落ち着いているため、初動の一拍で撮影全体のテンポが整います。Mavic 3 Proでは穏やかな安定感がありつつも、微妙な補正が入る場面でごくわずかな「DJIらしい角の取れ方」を感じたのに対し、Mavic 4 Proは補正の入り方がより自然で、操舵のニュアンスを壊さずに薄く支えてくれる印象です。Inspire 3と比較すると、当然ながら空中での重量感や余裕は別格ですが、Mavic 4 Proは現場に持ち込んだときの可搬性と準備の速さが作品の「初速」を上げ、気持ちの良いリズムで撮影に入れるという意味で体感差が明確にあります。

カメラの発色は、強い日差しの昼から曇天の薄い光まで、色が転ばないまま繊細に乗るようになったと感じました。Mavic 3 Proは素直で扱いやすい絵ですが、ハイライト近辺の粘りは少し「安全側」に丸めてくることがあり、編集で引き戻すときに一段工夫が要りました。Mavic 4 Proでは白が白として残り、階調の隙間に空気の層が乗るような描写で、露出の攻め方を少し大胆にしても絵が崩れにくいのが実感として大きいです。Inspire 3はさらに余裕の階調があり、光の塊を面で受け止めるような画力が圧倒的ですが、同じ現場で「この軽さでここまで出るのか」と驚いたのはMavic 4 Proでした。肌の色も、赤みが暴れずに自然な血色を残すため、人物を絡めた空撮で「あとで追い込める余白」が確保できるのが安心材料になります。

レンズ切り替えのレスポンスは、撮影のテンポに直結します。Mavic 3 Proは切り替え時に微かな間と画角の「すり替わり感」があり、テイク中のズームワークでは一歩慎重さが必要でした。Mavic 4 Proではこの切り替えが軽く、視線の移動に合わせて画角が追随する感覚が近く、構図作りの思考を途切れさせません。Inspire 3は専用レンズ運用でそもそもアプローチが違いますが、現場で「ワンオペの空撮とロケ進行」を両立するなら、Mavic 4 Proの操作の連続性は武器です。特に、急に被写体が面から点に変わるタイミングで、画角の再選択がスムーズに決まり、動きの美しさを落とさずに対応できました。

フォーカスの呼吸も進化を感じます。Mavic 3 Proでは、遠景から近景に移る場面でフォーカスが滑ってくる途中のごく短い「考える間」がありました。Mavic 4 Proではその迷いが目立たず、被写体に吸い付くような移動を見せます。これにより、低空で斜めに被写体へ寄る動きに「撮れた絵の確信」が持てるため、攻めたカメラワークを選びやすい。Inspire 3はフォーカス管理まで含めて別次元の余裕がありますが、Mavic 4 Proは小型機の枠内で「失敗率を下げ、使えるテイクを増やす」方向のチューニングが効いていると体で理解できます。

ノイズの質は夜間や薄明で差が出ます。Mavic 3 Proの高感度は粒が細かく扱いやすいものの、黒の奥行きにわずかに乾いた質感が混ざることがあります。Mavic 4 Proでは暗部のザーッとした感触が丸く、輪郭が立ちすぎないため、カラーグレーディングで陰影を持ち上げるときに破綻しにくい。街灯の周辺でグローが綺麗に乗り、点光源の周りに不快な滲みが出ないので、夜のシーンで「フィルム的な余韻」を足す作業が楽になりました。Inspire 3は黒の層が分厚く、そこで勝負を分けますが、携行性を優先しつつ夜も撮りたい現場ではMavic 4 Proの画が十分に説得力を持ちます。

飛行の質感は、風のある日に本性が出ます。Mavic 3 Proは風速が上がると「守る」方向の補正が強めに働き、結果としてカメラの動きが安全側にまとまります。Mavic 4 Proは揺れのプリエンプティブな抑え込みが効いており、微細な風の変化を先回りでいなすような身のこなしに変わりました。これにより、パンやチルトの開始と停止が綺麗に決まり、動きの端が上品に仕上がる。Inspire 3は重量でねじ伏せる安定感があり、画に「風を制した力強さ」が出ますが、Mavic 4 Proの演出はより繊細で、「風の中で静けさを描く」タイプの絵作りに向きます。

コントローラーの握り心地は意外と結果に響きます。DJI RC Pro 2のグリップは角が適度に落ち、スティックの戻りが素直で、指先の小さい力の差がスルッと画に反映されます。Mavic 3 Proのコントローラーも完成度が高いものの、長時間の連続操作では指の疲労が溜まりがちでした。Mavic 4 Proのセットでは、手首への負担が薄まり、夕方の集中力が維持しやすい。これにより、最後の一本で「もう少しだけ右下へ寄せる」といった微調整が決まりやすく、撮影の精度が上がります。Inspire 3のデュアルオペは別の快感があり、チームで画と機体を分担するなら当然強いですが、ワンオペで作品の一貫性を保つなら、Mavic 4 Proの操縦系は頼りになります。

内部ストレージの512GBは、現場での安心を実益として提供してくれました。日中から夜まで一気に撮り切るとき、カードを交換するタイミングが減り、流れが途切れません。Mavic 3 Proではメディア管理にひと手間挟む場面があり、その間に光が変わってしまうことも。Mavic 4 Proは「撮れる瞬間を逃さない」ための余裕があり、ロケの密度が上がって作品に反映されます。Inspire 3は記録の冗長性やワークフロー全体の設計が別次元ですが、機動力重視の現場では、シンプルに「容量が気にならない」ことが判断の自由度を広げます。

カラーの乗り方は編集耐性に直結します。Mavic 3 Proの素材は素直で、ワークフローにすっと入りますが、強いトーンカーブで押し込むときに色相がわずかに転ぶことがありました。Mavic 4 Proでは、彩度を抑えても色が痩せず、逆に強めても破綻しにくいので、狙いのルックへ真っ直ぐに寄せられます。空の青が層を持って残り、緑は黄に流れず落ち着いたまま。Inspire 3は素材の懐が広く、ラティチュードで勝ちますが、同じシーンで「ここまで追い込めば十分」と感じられるラインがMavic 4 Proでは明確です。

障害物検知の介入は、撮影者の自信を支える裏方です。Mavic 3 Proは保守的に守ってくれますが、狭い路地や木立で寄りたいとき、機体の判断がやや強く入ることがありました。Mavic 4 Proは「守りながら撮らせる」バランスがよく、近接時のストレスが薄い。これにより、怖さが減り、もう一歩踏み込んだ位置に滑り込めます。Inspire 3は機体サイズと運用でそもそも近接の攻め方が変わりますが、コンパクト機でこの挙動は実用上の差として確かに感じます。

音の質も現場で効きます。Mavic 3 Proのプロペラ音は落ち着いているものの、静かなロケ地では存在感が出る場面があります。Mavic 4 Proは耳障りな帯域がわずかに和らいでいるように感じ、インタビュー併用の撮影で被写体の集中を妨げにくい。これは数値では測りにくい差ですが、撮影相手が構えず自然体に戻るまでの時間が短くなり、結果として表情の柔らかいカットが増えました。Inspire 3は迫力があり、音も含めて「撮影が来た」という空気が出ますが、日常の延長線上で絵を掬い取りたい案件ではMavic 4 Proの静けさが武器になります。

総じて、Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボは、Mavic 3 Proからの乗り換えで「撮影の成功率」と「編集の自由度」が同時に上がる体感があります。Inspire 3と比べれば絶対的な画力や余裕は及びませんが、運用の軽さと立ち上がりの速さ、そして絵の品の良さのバランスで「動ける作品づくり」を後押ししてくれます。現場での微細な操作が画に素直に出て、光の変化を逃さず、素材が編集で応えてくれる。この一連の流れが噛み合うことで、撮影者の集中が途切れず、仕上がりに「狙ったニュアンス」が乗ります。スペックの比較だけでは拾いきれない、人間の手と目が実際に感じる差が、確かにあります。次の一本を撮るなら、持ち出す道具として自然に選びたくなる――そんな機体でした。

まとめ

良かった順では、まずDJI Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボ(DJI RC Pro 2付属)。撮るための準備から片付けまでの一連がとにかく整っていて、初回の離陸で「あ、これは失敗しないな」と直感しました。RC Pro 2のグリップと画面の見やすさが操縦の密度を上げ、風を受けてもフレーミングが崩れにくい。色の乗り方が素直で、編集で持ち上げても輪郭が荒れない。絵作りを変えたい時にレスポンスが速く、構図決めの自由度が高いので、現場で迷う時間が減りました。次点はDJI Inspire 3。飛ばした瞬間の包容力が段違いで、撮影用プラットフォームとしての余裕がある。機体のトルク感が安心を生み、カメラワークを攻めても画に破綻が出ない。ただ、設営と撤収の手間が必要で、短時間ロケではオーバースペックになりがち。三番手はDJI Mavic 3 Pro。いまでも十分頼れる画を出すし、移動を伴う撮影では機動力が魅力。ただ、最新機と比べると操作系の気持ちよさや姿勢制御の粘りに差があり、構図を微調整する時の「あと一歩」の追従性で物足りなさを感じる場面がありました。総じて、スピード感ある現場で使い倒すならMavic 4 Proが一番自然に成果に直結します。ベストチョイスはDJI Mavic 4 Pro 512GB クリエイターコンボ。撮影者側の迷いを減らし、持ち帰る画の質を安定させるという意味で、最も日常の仕事に馴染みました。おすすめは、機動力重視ならMavic 4 Pro、表現幅と余裕を最大化したい長丁場や大規模現場ならInspire 3、軽快な移動撮影の定番として価格以外の理由でもMavic 3 Proはまだ選ぶ価値あり、という整理です。

引用

https://www.dji.com/jp

https://www.dji.com/jp/mavic-3-pro

https://www.dji.com/jp/inspire-3


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