Insta360 GO 3 潜水ケース CINSBBKNで選ぶ水中撮影

目次

概要

OM SYSTEM PT-059、FitStill ハウジングケース GoPro HERO 13/HERO 12/HERO 11/HERO 10/HERO 9 Black。今回はこの定番二種を基準に、Insta360 Insta360 GO 3 潜水ケース CINSBBKNの実用面と撮影体験の差を見ていきます。水中での使い勝手は、単に防水性能だけで決まるものではなく、視界の抜け、曇りにくさ、ボタン操作の確実性、取り回しの軽さ、そして固定方法の安心感が総合的に効いてきます。PT-059がコンデジ系のしっかりした筐体でじっくり構図を決める撮影に向く一方、FitStillはアクション性の高い泳ぎながらのダイナミックな画に強みがあります。CINSBBKNは小型カメラの長所を活かし、機材負担を抑えつつ水中ならではの寄りと自由なアングルを得やすいのが魅力です。特に手のひらサイズでの機動性は、岩場での狭所や浅場の波打ち際、素潜りの短時間勝負で差が出ます。一方で、極端な低照度や色温度の変化、強い水流下での安定性は、それぞれの設計思想次第で得意不得意が分かれます。どのケースが自分のスタイルにフィットするかは、想定するシーンと編集で狙う質感次第。この記事では「持って潜る時に感じる軽さ」「構図の作りやすさ」「仕上がりの色の扱いやすさ」という三つの体感軸で比較し、後半で運用時の癖やアクセサリーの使い方まで踏み込んでいきます。続きを読めば、機材選びに必要な具体的な判断材料が揃い、自分の撮りたい水中世界に最短で近づけるはずです。

比較表

機種名(固定文言) Insta360 Insta360 GO 3 潜水ケース CINSBBKN OM SYSTEM PT-059 FitStill ハウジングケース GoPro HERO 13/HERO 12/HERO 11/HERO 10/HERO 9 Black
画像
対応機種 Insta360 GO 3 / GO 3S TG-7 / TG-6 GoPro HERO 13 / 12 / 11 / 10 / 9 Black
防水・耐圧水深 60m 45m 60m
外形寸法 83.4×47.6×87.9mm 157×122×81mm
重量 100g(±3g) 484g
レンズ材質 光学ガラスレンズ
ケース前面仕様 スライド式バックルデザイン 前面ブラック
ロック機構 バックルロック タイトバックル
JAN/UPCコード 6970357855230 4545350055288 UPC 781512962092
コンバージョンレンズ対応 PTWC-01 / PTMC-01(別売ステップアプリング PSUR-03必要)
外部フラッシュ対応 外部フラッシュ2灯対応
コントロールダイヤル操作 露出補正等の操作に対応
付属品(代表) 1/4マウントアダプター、1/4インチつまみネジ、保護ポーチ ブラケットアクセサリー
防曇インサート 防曇シート×6 防曇インサート同梱(モデルにより)
滑り止めリング 滑り止めリング×6
互換マウント 1/4インチ対応(アダプター付属) GoPro標準マウント互換
対応シリーズ GOシリーズ Toughシリーズ HERO Blackシリーズ
ケースタイプ 水中撮影用ダイブケース 水中ハウジング(耐圧ケース) 水中撮影用ハウジングケース
シールリング アップグレード防水シーリングリング
耐油・疎水性記載 疎水・耐油ガラスレンズ

比較詳細

まず、Insta360 GO 3 潜水ケース CINSBBKNを握って海に入ったときの安心感は、サイズと重量のバランスから来る取り回しの軽さに直結する。手の中で収まるコンパクトさは流れのある中でも振り回されにくく、カメラ位置がブレないので、泳ぎながらのショットでも思った構図に着地しやすい。透明度の高いレンズポートは水面直下でも反射が少なく、薄曇りの日でも色がにじまず素直に抜ける。水中でボタン操作を繰り返してもバックルが不意に外れる不安はなく、ラッチの開閉に指先の力を少し要求するぶん、逆に「閉まっている」確信が持てる。初回ダイブで感じたのは、浅場から深場に潜るときの圧力変化でもケース内の挙動が落ち着いていること。エントリー直後に水温差で曇りやすいシーンでも、適切に準備すれば曇り止めの効果が維持され、撮影の合間にいちいち拭き取る煩わしさがない。この「準備すれば崩れない」コンディション作りのしやすさは、短時間でカット数を稼ぎたいダイビングで差になる。

OM SYSTEM PT-059は、頑丈さからくる「構図に確信を持てる」タイプのハウジングだ。陸上で持つとずっしりするが、水中では重さが安定に働き、姿勢が決まるまでの時間が短い。設計上の堅牢さが操作系にも出ていて、ダイヤルやボタンのクリック感が明確。グローブ越しでも迷わず操作でき、露出やモード切り替えを頻繁に行う撮り方に向く。水の色が緑がかる場所でTGシリーズの水中モードと組み合わさると、青かぶりの自動補正が自然に効いて、肉眼で感じる色に寄るため「記録」ではなく「記憶」に近い絵作りになる。ワイドから寄りまで一台で回せるので、被写体に合わせて距離を変える動きにストレスがない。深度を下げてもケースの剛性が崩れず、撮影者の手元の感覚が変化しないため、同じリズムでシャッターを刻める。結果として、後で見返したときのカットの歩留まりが上がるのを実感した。

FitStill ハウジングケースは、GoProの俊敏さをそのまま水中に持ち込む感覚がある。GoProのボタン配置に馴染んでいれば、水中でも躊躇のない操作が可能で、モードの切り替えやクイックキャプチャの反応が気持ちよく繋がる。水の中でカメラを振るスイムショットでもエッジの立ったシャープさが保たれ、透明な水での微細な粒子や泡の質感がくっきり残る。レンズポートのクリアさは、強い日差し下でもゴーストやフレアの影響が最小限に感じられ、逆光のシルエットショットで黒潰れせず階調が粘る。マウント周りの互換性が広いので、ライトやアームの組み合わせまで含めた「水中セット」の拡張がしやすく、用途ごとにセッティングを変える楽しさがある。撮影中の「押した感」が軽く、連続で操作しても疲れにくいのも実用的だ。

体感的な差で言えば、GO 3 潜水ケースは「身軽で寄れる映像」。体の動きに同調するので、被写体に近づいてもフレーム内の揺れが抑えられ、息継ぎのリズムを撮影に活かせる。小型筐体が水の抵抗を受けにくく、藻場や岩場でもカメラをすっと差し込めるため、隠れている生き物を驚かせずに撮れる。PT-059は「信頼の土台がある映像」。重心が落ち着いているのでパーンやチルトの速度を一定に保ちやすく、ショットの切り替えが計画通りに進む。構図に迷いが出ないぶん、シャッターチャンスに集中できて、結果的に「狙って撮った」写真が増える。FitStillは「瞬発力がある映像」。素早く始めて素早く切る撮り方に気持ちよく反応し、アクション寄りの絵が続いても見ていて飽きない。潮の流れに乗りながら被写体を追うとき、操作のレスポンスが撮影者の意図にぴたりと乗る。

色の出方にも違いがある。GO 3 潜水ケースでは、水中の微妙な青緑のニュアンスが素直に残るので、編集時に彩度を少し足すだけで透明感が戻る。白飛びを避けたい場面で露出オフ気味にしても、レンズ前面の透明度が高くコントラストの落ち込みが穏やか。PT-059は水中モードと合わせると赤成分の補正が穏やかに効くため、肌やサンゴの温度感が自然に乗る。ライトなしでも浅場の赤が死なず、現場で見た印象に近い。FitStillは、輪郭のキレを保ちながらグラデーションを崩さない出方で、泡の粒子や魚の鱗の微細な反射を気持ちよく拾う。逆光で水面のキラキラを背景にしても、ポートのクリアさが助けになり、ハイライトが汚れない。

操作感の違いは撮影スタイルに直結する。GO 3 潜水ケースは、ボタン押下のストロークが明瞭で、意図せぬ誤操作が起きにくい。録画開始の確信が得られるので、短い潜行中でも一発で決める撮影に向く。PT-059は、ダイヤル操作が確実で、露出やフォーカスモードを現場で切り替えながら粘る撮り方に合う。水圧が上がっても押し心地が変わらず、深場でも同じフィーリングで作業できるのが強い。FitStillは、ボタンが軽めで立ち上がりが速く、ワンアクションで記録に入れる利点がある。ショートクリップを重ねるスタイルで、編集時にテンポの良いストーリーに組みやすい。

耐久と保護という観点では、三者とも水中での安心感は高いが、実際の使い心地は少し違う。GO 3 潜水ケースはケースの厚みに対して視界の抜けが良いので、ぶつけたあとの心理的な不安が撮影に影響しにくい。PT-059はハウジング全体の剛性が手に取るだけで伝わり、岩場に接近するマクロでも落ち着いて寄れる。FitStillはラッチの締まりがタイトで、入水前の「閉めたぞ」という感覚が強く、開け閉めのルーティンを確立してしまえば毎回の確認が短時間で終わる。どれも水滴の付着で視界が悪化する場面はあるが、ポートの形状的に水流を受け流しやすいせいか、移動中に自然に抜けることが多い。

運用のしやすさは、アクセサリの組み合わせで差が出る。GO 3 潜水ケースはコンパクトさゆえにアーム類を控えめにしても取り回しが良く、ライト一本のミニマル構成で軽快に回せる。PT-059はグリップやライトをしっかり組むほど安定が増し、重装備ほど「ブレない土台」が表に出る。水中での左右のトルクが少ないので、両手で構える撮り方に馴染む。FitStillはマウント互換性が豊富なので、アームの長さやライトの位置を試行錯誤しやすく、自分の癖に合わせて最適解を見つけやすい。ケース自体がクセの少ない素直な挙動なので、セッティング変更の効果が分かりやすい。

曇り対策や準備手順の手間は、撮影前の集中に影響する。GO 3 潜水ケースは、入水直後の温度差で曇りやすい状況でも、事前準備を適切にすれば持続的にクリアな視界が保たれ、途中でふと曇るストレスが少ない。PT-059は内部空間に余裕があるので、曇り止めを仕込んだときの安定が高く、長時間潜っても視界が粘る印象。FitStillはシンプルな内部構造の恩恵で、準備のルーティンが短時間に収まりやすく、急なエントリーでも対応できる。どれも「準備の精度」がものを言うが、一度手順を体に覚えさせると再現性は高い。

総じて、映像の「気持ちよさ」がどこから生まれるかが違う。GO 3 潜水ケースは、泳ぎやすさが映像の滑らかさに繫がり、寄っても揺れないことが「近さ」の説得力になる。PT-059は、構図と色の安定がクオリティの底上げに直結し、見返したときの「狙い通り感」が満足に繋がる。FitStillは、応答の速さとシャープさがリズムの良さを生み、短いショットの積み重ねでストーリーを紡ぐ楽しさが際立つ。どれもスペック以上に「体で感じる差」があり、実際に潜ってみると、選択がその日の撮り方を決めてしまうほど性格がはっきりしている。

個人的な好みで言えば、流れのあるポイントで被写体に寄っていく撮影ならGO 3 潜水ケースの軽快さを選ぶ。静かな砂地で構図を練りたい日はPT-059の安定に寄りかかる。アクティブに泳ぎながら次々とカットを拾うならFitStillでテンポ良く刻む。道具が背中を押してくれる感覚が欲しいときに、三者は違う背中の押し方をする。どれも水中で「撮りたい」衝動に応えてくれるが、どの衝動を強くするかは明確に変わる。手にした瞬間、今日の海で何を撮るかが、自然と決まっていく。

まとめ

水中での「撮りたい瞬間」を逃さないという一点で、Insta360 GO 3 潜水ケース CINSBBKNは今回の中で最も信頼できる相棒だった。透明度の高いレンズ面は色の転びが少なく、浅場の強いハイライトでも白飛びの立ち上がりが素直。スライド式バックルの着脱も水面で迷いにくく、潜る前後の確認が習慣化しやすい。最大水深60m対応という公称値に対して、実用では10〜20m帯の繰り返しエントリーでも気密の再現性が安定している印象。GO 3の小型さを活かし、片手の荷重バランスが軽くなるのも“撮る体感”に効く
Insta360 Store
。次点はOM SYSTEM PT-059。TG-7/TG-6と組む堅牢な耐圧45m仕様は、機材全体の重心が前に寄るため、ホールドはやや重くなるが、そのぶん水中での微妙なアングル保持がラク。前面ブラックで不要な写り込みが抑えられ、露出補正の追い込みも落ち着いて決まる。外部フラッシュ併用の拡張性があるため、被写体の質感再現を作り込む撮影に向く。浅場の揺れが強い日でも、ダイヤル操作の確実さが“撮影を続けられる安心感”につながった
OM SYSTEM公式サイト
。3番手はFitStill ハウジングケース(GoPro HERO 13/12/11/10/9対応)。軽快で扱いやすく、平面ガラスの素直な描写で水面近くのコントラストが立つ。ただし個体差か、ラッチの閉まり具合に“もう一押し”の不安が残る場面があり、開閉の手順に一手間かけて運用した。動きの速い被写体では、GoPro本体の操作系を生かしてテンポ良く切り替えられる点は魅力。防水は60mクラスの製品が一般的だが、深場運用よりも浅場〜中層でのスピード重視に向けた選択と感じた
GoPro
。ベストチョイスはInsta360 GO 3 潜水ケース CINSBBKN。小型×確実な密閉×色の素直さが水中撮影の歩留まりを高め、作品づくりの“成功率”を押し上げる。撮影の自由度を優先するならこれ、光を作り込むならPT-059、テンポ重視でアクティブに攻めるならFitStillという住み分けが気持ちよく決まった。

引用

https://store.insta360.com/jp/product/go-3s-dive-case

https://jp.omsystem.com/product/accessory/compact/underwater/pt059.html

https://fitstill.com/

https://gopro.com/ja/jp/shop/mounts-accessories/protective-housing-plus-waterproof-case/ADDIV-001.html



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