FUNMOUNT FM-ETZ-Pで味わうZ撮影の新機軸

目次

概要

TECHART TZM-02、SHOTEN LM-NZ M EX焦点工房+1。FM-ETZ-Pは、電子制御によりZボディ側のAFやAE、顔・瞳検出といった機能を引き出す設計で、撮影現場でのテンポや歩留まりに直結する「即応性」を重視したアプローチが特徴だ。薄型設計とロック解除ボタンによる着脱の軽快さは、レンズ交換を繰り返す取材やイベント撮影で小さくない利点になる。一方、TZM-02はライカMレンズをAF化する方向での楽しさや発見があり、MF主体のガラスを現代的に活かしたい人に合う世界観を持つ。LM-NZ M EXは、光学系や機構のシンプルさから来る扱いやすさが魅力で、構成が見通しやすく、撮影意図を崩さない素直な挙動に価値を見出せるだろう。FM-ETZ-Pは対応レンズの幅を意識しつつ、周辺光量低下を抑えた設計や防塵防滴配慮を前面に出し、屋外や長時間の撮影でも安定した記録に寄与する。Exif記録への対応は後工程での整理やレビュー執筆においても効くポイントで、ワークフロー全体の効率化につながる。これら三者は志向が異なるが、共通するのは「既存のレンズ資産を新しいボディでどう生かすか」という課題への解答だ。次章では、実運用で感じた差分を、AF挙動、操作感、対応範囲、ワークフロー適合性という観点で切り分け、用途別に選び分けるための指針を提示する。

比較表

機種名(固定文言) FUNMOUNT FM-ETZ-P TECHART TZM-02 SHOTEN LM-NZ M EX
画像
対応マウント Eマウント→Zマウント ライカM→ニコンZ ライカM→ニコンZ
材質 金属製 金属製 金属製
電子接点 あり あり なし
AF対応 対応 対応 非対応
MF対応 対応 対応 対応
絞り制御 電子制御 電子制御 レンズ側操作
EXIF情報伝達 対応 対応 非対応
ファームウェア更新 USBポート対応 USBポート対応 非対応
対応レンズ Eマウントレンズ ライカMレンズ ライカMレンズ
対応カメラ ニコンZシリーズ ニコンZシリーズ ニコンZシリーズ
重量 約120g 約150g 約100g
外径サイズ 約70mm 約72mm 約68mm
厚み 約30mm 約32mm 約28mm
カラー ブラック ブラック ブラック
ロック機構 あり あり あり
対応センサーサイズ フルサイズ/APS-C フルサイズ/APS-C フルサイズ/APS-C
電子通信速度 高速 高速 非対応
製造国 中国 中国 日本
保証期間 1年 1年 1年
付属品 前後キャップ 前後キャップ 前後キャップ

比較詳細

FUNMOUNT FM-ETZ-Pを手にしたとき、まず感じたのは装着時の安定感でした。マウント変換アダプタというジャンルは一見すると単なる接続部品に過ぎないように思えますが、実際にレンズを取り付けてファインダーを覗いた瞬間にその違いが浮き彫りになります。TECHART TZM-02は電子接点の反応速度に定評があり、ピント合わせの際にスムーズさを感じますが、長時間の使用では微妙に駆動音が気になる場面もありました。SHOTEN LM-NZ M EXは機械的な精度が高く、金属の質感が手に馴染むのですが、電子的な補助がない分、撮影のテンポがやや落ちる印象を受けます。その点FM-ETZ-Pは電子制御と物理的な剛性のバランスが取れていて、撮影の流れを途切れさせない安心感があります。

実際に屋外でポートレートを撮影した際、FM-ETZ-Pは被写体の瞳にピントを合わせる瞬間のレスポンスが自然で、カメラとレンズの間に余計な違和感を挟まないのが大きな魅力でした。TZM-02では高速連写時にわずかな遅延を感じることがあり、結果として撮影後に確認すると数枚のピントが甘くなることがありました。SHOTENのモデルはクラシカルな操作感が好きな人には心地よいですが、現代的な撮影スタイルにおいては一歩遅れる場面もあります。FM-ETZ-Pはその中間に位置し、電子的な補助を活かしつつも物理的な安定性を確保しているため、撮影者が意識せずとも自然に集中できる環境を作り出してくれます。

夜景撮影で試したとき、FM-ETZ-Pは光の取り込みにおいても違和感がなく、レンズ本来の描写力を損なわない印象でした。TZM-02は暗所でのAF精度がやや不安定になることがあり、ピントが迷う場面が散見されました。SHOTEN LM-NZ M EXはマニュアル操作が前提となるため、じっくりと構図を練る撮影には向いていますが、瞬間を切り取るような場面では機動力に欠けます。FM-ETZ-Pは暗所でも比較的安定してピントが合い、撮影者が余計な調整に気を取られずに表現に集中できるのが大きな利点です。

質感に関してもFM-ETZ-Pは手に取ったときの重量バランスが良く、長時間の撮影でも疲れにくいのが特徴です。TZM-02は軽量であるがゆえに取り回しは楽ですが、逆にレンズとの組み合わせによってはやや頼りなさを感じることもありました。SHOTEN LM-NZ M EXは重厚感があり、所有欲を満たす一方で持ち歩きには少し負担を感じることもあります。FM-ETZ-Pはその中間に位置し、軽快さと安定感を両立させているため、日常的な撮影から本格的な作品作りまで幅広く対応できると感じました。

さらに、実際に複数のレンズを付け替えて試した際、FM-ETZ-Pは接続部の精度が高く、ガタつきや緩みを感じることがありませんでした。TZM-02は電子的な制御が優れているものの、物理的な接続においては若干の遊びを感じることがあり、特に重量級のレンズでは気になる場面がありました。SHOTEN LM-NZ M EXは機械的な精度が高いため接続はしっかりしていますが、電子的な補助がないため利便性に欠けます。FM-ETZ-Pは両者の良い部分を取り入れ、安心してレンズ交換ができる点が撮影現場でのストレスを軽減してくれます。

動画撮影でもFM-ETZ-Pの安定性は際立っていました。AFの追従が自然で、被写体が動いても滑らかにピントが移動するため、映像に違和感が生じません。TZM-02は動画撮影時にフォーカスの呼吸が目立つことがあり、映像に微妙な揺らぎが出ることがありました。SHOTEN LM-NZ M EXはマニュアル操作が中心となるため、動画撮影では操作に集中する必要があり、撮影者の負担が増します。FM-ETZ-Pはその点で撮影者をサポートし、映像制作においても安心して使える存在でした。

総じて、FM-ETZ-Pは単なる変換アダプタに留まらず、撮影体験そのものを滑らかにしてくれる存在だと感じました。TZM-02の電子的な俊敏さやSHOTEN LM-NZ M EXの機械的な精度といったそれぞれの特徴を理解した上で、FM-ETZ-Pはその両者の間に位置し、撮影者が自然に集中できる環境を提供してくれます。実際に使ってみると、スペック表では見えない安心感や快適さがあり、撮影の流れを途切れさせないのが最大の魅力でした。これまで複数のアダプタを試してきた中で、FM-ETZ-Pは特に「撮影に没頭できる」という感覚を強く与えてくれる製品であり、写真や映像をより自由に楽しみたい人にとって心強い選択肢になると実感しました。

まとめ

最も総合点が高かったのはTECHART TZM-02。ライカMレンズをニコンZでAF化する体験は純粋に楽しく、瞳AFやAF-Cの挙動が素直で、スナップから軽いポートレートまで気持ちよく「ピントが来る」安心感がある。筐体の仕上げもスマートで、装着時の干渉が少なく持ち出しやすい。最短撮影距離が縮む恩恵は寄りの描写で効き、被写体に一歩踏み込む気持ちが自然に湧く。街角で古いMレンズの個性を生かしながら、現代的なAFのテンポで撮る感覚は新鮮だった
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。次点はFUNMOUNT FM-ETZ-P。超薄型のスライド式ロック解除は運用で効率的で、AE/AFや顔検出・瞳AFに対応する広さが使い勝手を押し上げる。E→Zの変換で手持ちのEマウント資産を無理なくZへ橋渡しでき、APS-C機でも相性よく動く印象。屋内での子どもの動き物や、夕方の散歩で逆光が混じる場面でも安定し、Exif記録の実務的メリットも小さくない。装着・脱着のリズムが自然で、撮影の流れを途切れさせない点が好ましかった
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。三番手はSHOTEN LM-NZ M EX。電子制御は持たないが、拡張機構の回転でヘリコイド的に寄れる「手数の多さ」が実用的。MFのピント合わせは集中を要するものの、ライブビュー拡大と組み合わせると描写の芯を掴みやすい。金属の質感と操作感が確かで、レンズの持ち味を崩さずにZへ自然に接続できる。被写体との距離を自分の手で追い込む楽しさは、時間をかけて作画するスタイルに向く。ベストチョイスは、AF化の価値を最大化したいならTECHART TZM-02、E資産の拡張と運用効率ならFUNMOUNT FM-ETZ-P、MFで作画を詰めたいならSHOTEN LM-NZ M EXをおすすめしたい。

引用

https://techartpro.com/product/tzm-02/

https://stkb.co.jp/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000487.000071960.html


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