インスタントカメラ比較まとめ:コダック Mini Shot 3 RETRO / instax mini Evo / instax mini 12


目次

比較概要

富士フイルム instax mini Evo ブラックと富士フイルム instax mini 12 クレイホワイトは、いずれも日常の瞬間を気軽に切り取れるインスタントカメラとして人気を集めています。instax mini Evoはクラシカルなデザインと多彩な撮影エフェクトを備え、表現の幅を広げたいユーザーに支持されており、instax mini 12はシンプルな操作性と軽快な扱いやすさで初心者やカジュアルな利用に適しています。

これらに対してコダック Mini Shot 3 RETRO PMS3R-C300RWは、レトロな外観とデジタル撮影機能を組み合わせた2-in-1タイプのインスタントカメラで、撮影からプリントまでを一台で完結できる点が大きな特徴です。従来のインスタントカメラが持つ「撮ったらすぐにプリント」という魅力に加え、液晶画面で確認しながら撮影できる安心感や、スマートフォンとのBluetooth連携による利便性が加わることで、幅広いユーザー層に新しい選択肢を提示しています。

持ち運びやすいサイズ感と直感的な操作性は、旅行やイベント、子どもの発表会やホームパーティーなど、多様なシーンで活躍しやすく、フィルムベースのinstaxシリーズとは異なる体験を提供します。これらの違いを踏まえると、単なる「どちらが優れているか」という比較ではなく、利用者が求める撮影スタイルやシーンに応じて選び分けることが重要になります。今回の比較では、instaxシリーズの魅力とMini Shot 3 RETROの独自性を整理し、それぞれの強みを理解することで、自分に合った一台を見つけるヒントを探っていきます。

実際に3機種を持ち出してみると、「撮ってすぐ渡したい」「じっくり作品っぽく仕上げたい」「とにかく気楽にたくさん撮りたい」といった欲求の向きが、自分でもはっきり見えてきます。この記事ではスペックの数字だけでなく、そうした体験の差も含めて比較しているので、カメラ選びに迷っている方は、自分の撮影スタイルを重ねながら読んでみてください。

比較表

機種名 コダック Mini Shot 3 RETRO PMS3R-C300RW 富士フイルム instax mini Evo ブラック 富士フイルム instax mini 12 クレイホワイト
画像
本体サイズ 約134×104×30 mm 約87×122.9×36 mm 約104×66.6×122 mm
重量 約370 g 約285 g 約306 g
使用フィルム/用紙 専用4PASS印刷専用紙(Mini Shot 3用スクエア紙) instax miniフィルム instax miniフィルム
プリント方式 昇華型熱転写(4PASS) 銀塩現像 銀塩現像
プリントサイズ 76×76 mm 62×46 mm 62×46 mm
液晶モニター 1.7インチ 3.0インチ なし
保存メディア 内蔵メモリのみ(メモリーカードスロットなし) 内蔵メモリ/microSD なし(フィルムのみ)
内蔵バッテリー リチウムイオン充電池(約900 mAh) リチウムイオン充電池 単3形アルカリ乾電池×2
充電方式 USB Type-C microUSB 乾電池交換式
Bluetooth接続 対応 対応 非対応
スマホ連携 Kodak Photo Printerアプリ対応(iOS/Android) instaxアプリ対応(iOS/Android) 非対応
撮影モード 写真/セルフィー/タイマー 10種類エフェクト/フィルター オート撮影(クローズアップ/標準)
フラッシュ 内蔵 内蔵 内蔵
セルフィーミラー あり なし あり
印刷速度(1枚あたり) 約60秒 約90秒 約90秒
対応OS iOS/Android iOS/Android 非対応
レンズ構成 単焦点・固定焦点レンズ 単焦点・固定焦点レンズ 単焦点・固定焦点レンズ
撮影距離 約0.3 m~∞ 約0.1 m~∞ 約0.3 m~∞
ISO感度 自動(ISO100~1600相当) 自動 自動(フィルム感度ISO800相当)
露出制御 自動 自動 自動
ホワイトバランス 自動 自動 自動
撮影枚数(バッテリー目安) 約20枚 約100枚 フィルムパック約10本(約100枚)
フィルム給紙方式 専用インクカートリッジ(カセット式) カートリッジ式 カートリッジ式
本体カラー レトロホワイトほか ブラック クレイホワイトほか
発売年(国内) 2025年 2021年 2023年

比較詳細

コダック Mini Shot 3 RETROで楽しむ新しい撮影体験

コダック Mini Shot 3 RETRO PMS3R-C300RWは、撮ってすぐ手元で確かめて、その場でプリントまで完結させたい衝動に素直に応えてくれるタイプだ。シャッターを切った瞬間の安心感は「失敗したらどうしよう」より「この場の空気を丸ごと持ち帰れる」という手応えが勝つ。昇華型プリント特有の艶と層のある色乗りが、柔らかい光の室内でも人物の肌を滑らかにまとめ、指先で触れてもインク面に不安がない。

実際に友人たちが集まったホームパーティーで使ってみたときも、画面でサッと表情をチェックしてからプリントボタンを押せるので、「これちょっと微妙だね、もう一枚!」というコミュニケーションが自然に生まれる。テーブルの真ん中にMini Shot 3 RETROを置いておくと、誰かが撮り、誰かがプリントを受け取り、また誰かが壁に貼りに行く。その小さな循環が、場の空気をふわっと温めてくれる感覚があった。

スマホ連携の自由度も高く、旅行後にスマホ内の写真をまとめてプリントしてみると、「その場で撮ってプリント」とはまた違う楽しみ方が見えてくる。インスタ投稿用に撮った縦構図のカットをスクエアにトリミングして出力すると、ちょっとした作品っぽさが出て、デスク周りの雰囲気がぐっと変わる。アプリ上で簡単な装飾やフチあり・フチなしを切り替えられるので、アルバム用とプレゼント用でテイストを分けるのもやりやすい。

3機種の「手応え」の違い

富士フイルムのinstax mini Evo ブラックはデジタルハイブリッドの自由度が高く、撮ってから効果を選ぶ「後から仕上げる楽しみ」が強い。instax mini 12 クレイホワイトは直感の塊で、迷いを挟まずにシャッターへ指が吸い込まれる軽快さが心地よい。

実際の手応えで語るなら、Mini Shot 3 RETROは「撮影とプリントがシンクロする一体感」が魅力だ。構えて、確認して、出力するまでの流れが同じリズムで進むので、イベント会場や友人宅のリビングでも場を止めずに写真を回せる。プリントの表面はつるりとした光沢で、色の階調が重なっていくせいか陰影のグラデーションが滑るようにつながる。instax mini Evoは、画面上でコントラストやフィルターを試す工程が「作品づくり」に寄る。結果、同じシーンでも「今日の気分」に合わせて仕上がりを変えられるから、表現の幅は広い。一方でmini 12は整流された操作感に強みがあり、近距離のセルフィーでもテンポが崩れない。「とりあえず一枚」のレスポンスが圧倒的だ。

色の印象を比べると、Mini Shot 3 RETROの階調はしっとり落ち着く。淡いトーンでもカラーブロックが曖昧にならず、人物の肌やテーブル上の料理が「やりすぎない鮮やかさ」で収まる。mini Evoはエフェクトを使うほどドラマが乗るので、街灯の下や雨上がりの路面など、コントラストが複雑なシーンで雰囲気を積み上げやすい。mini 12は原音に忠実な感じで、日中の自然光で撮ると素直に抜ける。フィルムらしい白の膨らみが出るため、空や壁の余白が軽やかに広がるところが好きだ。

プリントと保存性の体験差

プリントの体感差は、触った瞬間に出る。Mini Shot 3 RETROは表面が丈夫で、カバンにそのまま放り込んでも角がめくれにくい。並べて見たときの「つるっと光る」存在感はアルバムよりも壁やデスクに置いたほうが映える。mini Evoはinstax miniフィルムの質感が作る粒の心地よさがある。ざらっとはしていないが、光が乗った時の白の跳ね返り方がやわらかで、手紙のように人に渡したくなる仕上がり。mini 12のプリントは、撮ってすぐ出てくる安心感が全てを支える。パーティーの最中にプリントを回すと、場が軽く弾む。色の転び方も素直で、誰が撮っても「それなりに決まる」包容力がある。

紙の保存性についての肌感覚は、Mini Shot 3 RETROのしっかりした表面が長持ちしそうだという予感をくれる。デスクに置きっぱなしでも角が丸くなりにくい。mini Evoとmini 12のフィルムはアルバム保存に向いていて、ページをめくるたびに記憶がほどける儀式感がある。写真を「見返す行為」そのものが体験になる。

操作性と「テンポ」の違い

操作の癖で言えば、Mini Shot 3 RETROは「撮影する人」と「受け取る人」のテンションを合わせやすい。撮る→確認→出すのサイクルが短いから、被写体がその場で笑い直しやすく、二枚目三枚目のトライが楽になる。mini Evoは思考する余白が増えるぶん、撮影者にとって「自分の好みを探る時間」が心地良い。ふだんから画作りを考える人は、ボタンを押す前のイメージ作りを楽しめる。mini 12は「何も考えない自由」が武器。使い始め5分で最大限のパフォーマンスが引き出せるので、家族や友人に渡しても破綻しない。

屋内の光で試すと差がさらにわかる。電球色のリビングでMini Shot 3 RETROは黄みが暴れず、暖かさを残しつつ落ち着く。料理のソースや木目が過度に濃くならない。mini Evoは設定次第で空気感を編集できるため、電球色の温度を意図的に抱え込んだり、クールに寄せたり、演出がきく。mini 12はオートのままでも失敗しにくく、肌の色が明るく持ち上がってくれる印象だ。明るさに余裕がない部屋でも、想像よりも救済が効く。

屋外の空気では、それぞれが個性を見せる。Mini Shot 3 RETROは晴天の下で色面が強すぎず、空の青と肌色のバランスが取りやすい。日陰に入っても階調の繋ぎが途切れないので、街角スナップでも破綻しない。mini Evoは逆光や反射を素材として扱えるのが楽しい。水たまり、金属、ガラス面のキラッとした反射を効果で活かすと、日常が少し映画っぽくなる。mini 12は散歩の途中に気楽に取り出して、ふとした看板や花壇を記録する相棒として最高だ。軽くて気負いがなく、思い出が累積していく感覚が続く。

人物撮影と距離感

人物撮影の距離感を比べると、Mini Shot 3 RETROは一歩引いた構図でまとまる。顔に寄り過ぎても質感が過剰にならず、肌の滑らかさが保たれる。mini Evoは狙いを決めてから寄ると、効果の選択で印象が大きく変わる。優しいトーンで包むか、シャープに輪郭を立たせるか、同じ表情でも違う物語に仕立てられる。mini 12は近距離の自撮りでもテンポを殺さず、笑いながらそのまま一枚に落とし込める。集合写真では、とりあえず撮るという行為に抵抗がなくなる。

僕の感覚では、「しっかり残したい家族写真」はmini Evoでじっくり作り込み、「その場のノリでみんなに配りたい写真」はMini Shot 3 RETROが向く。気楽な遊びの記録や、子どもたちが自分で撮りたがるときにはmini 12を渡しておくと、変に肩に力が入らず、自然な表情がたくさん集まる印象だ。

日常に溶け込む「モノとしての満足感」

モノとしての満足は手にした瞬間の質感に宿る。Mini Shot 3 RETROはレトロの名の通り、デザインが「撮る楽しさ」を呼び起こす。置いてあるだけで使いたくなる。mini Evoは完成度の高いハイブリッド機としての存在感があって、設定をいじる時間も含めて所有欲を満たす。mini 12は肩の力を全部抜いてくれる相棒で、玄関に置いておけば出かけるたびに自然と連れ出してしまう。

日々のワークフローでいうと、Mini Shot 3 RETROは撮って渡すが同じタイムラインで進み、イベントで重宝する。写真をその場で手渡すと、場の記憶が物理的に分配される感覚が気持ちいい。mini Evoは撮影後の選別・加工・プリントが一連の編集体験として成立するので、休日に腰を据えて「今日を整える」時間が生まれる。mini 12は「記録する」という行動が軽いから、たくさん撮って、良かったものだけアルバムに差し込む運用が自然にできる。

失敗への強さとランニングコスト

失敗の許容量にも違いがある。Mini Shot 3 RETROは確認してから出す流れが安心をくれる。ブレや表情の取りこぼしが減る。mini Evoは効果選択で微妙なカットも救えることが多く、ボツが作品に昇格する瞬間がある。mini 12はともかく枚数で勝負しても気疲れしないので、後から見返す楽しみが増える。

ランニングコストの考え方も少し変わってくる。Kodakの専用カートリッジはインクと用紙が一体型で、スクエアプリントを一定のクオリティで量産したい人に向く。instaxのフィルムは1パックごとの区切りがはっきりしているので、「今日はこの1本だけ」と決めて撮りきる感覚が楽しい。どちらも決して激安ではないが、「失敗を減らせるMini Shot 3 RETRO」「失敗も味になるinstax」という捉え方をすると、自分の撮影スタイルにあったコスト感が見えやすくなる。

贈り物・旅との相性と選び方のポイント

贈り物として考えるなら、Mini Shot 3 RETROは完成した写真を手渡す喜びを含めてプレゼントにできる。撮って印刷して一緒に笑うという行為が最初からセットだ。mini Evoは「写真で遊べる人」への提案として刺さる。表現に興味がある相手には小さな制作ツールとして機能する。mini 12は誰にでも似合う普遍性があり、家族の共有機としても馴染む。

旅との相性は、Mini Shot 3 RETROが「現地で配る」楽しさに向く。出会った人にその場で渡すと、旅路のつながりが立体的になる。mini Evoは「夜に整える」旅に合う。昼に撮ったものを宿でじっくり選んでプリントする時間が豊かだ。mini 12は「歩きながら記録する」相棒として軽快で、荷物の気分を重くしない。

  • その場で配りたい:Mini Shot 3 RETRO
  • 表現の幅とエフェクトで遊びたい:instax mini Evo
  • とにかく気楽にたくさん撮りたい:instax mini 12

総じて、スペックの差以上に生活のシーンでの振る舞いが変わる。Mini Shot 3 RETROは場に寄り添い、撮影から贈るまでを一拍で結ぶ。mini Evoは表現を広げ、撮る人の好みを育てる。mini 12は日常のハードルをなくし、写真を生活の呼吸に近づける。体感の差は確かにある。どのテンポで生きたいか、その質問への答えが選択に直結する。

もし「この瞬間を手渡したい」と思うことがよくあるなら、Mini Shot 3 RETROがハマる。撮って渡すが同時に起きるから、喜びが即時に循環する。もし「自分の色を探したい」と日々感じているなら、mini Evoで仕上げの自由に浸る時間が良い刺激になる。もし「撮る行為をもっと軽く」したいなら、mini 12で日常をやわらかく記録してみてほしい。どの選択も写真の楽しさに正直だ。

僕自身は、友人たちと集まる夜にはMini Shot 3 RETROを手に取ることが多い。写真が会話になり、会話が写真を呼び、循環が生まれるからだ。週末にひとりで街を歩く日はmini 12で軽く刻む。肩の力が抜けたまま、気配をそのまま拾える。少し創作欲が疼く夜はmini Evoにスイッチし、仕上げと向き合う。どれも生活に馴染む選択で、違いは確実に体に伝わる。

選ぶときは、撮る速度、仕上げの拘り、渡す喜び。その三つの比重を自分の中で計ってみてほしい。Mini Shot 3 RETROは速度と渡す喜びに強い。mini Evoは仕上げの自由が核にある。mini 12は速度と気軽さで生活を軽くする。迷いは悪くない。むしろ迷いの中で、写真の楽しみ方がクリアになるはずだ。手触りの違いは、手にして一日過ごせば、すぐに分かる。

まとめ

まず総合満足度で最も心が動いたのは富士フイルム instax mini Evo。撮ってすぐ手にできるインスタントの軽さに、遊び心ある表現幅が重なると「もう一歩撮りたくなる」欲が自然に湧く。日常の断片でも作品めいた仕上がりに寄せられるので、散歩や小旅行の短い時間でも撮影に没頭でき、印刷後も「これは残しておきたい」と素直に思えた。実際に手で触れるプリントの質感が、記憶の温度をほどよく上げてくれる。

次点はコダック Mini Shot 3 RETRO PMS3R-C300RW。撮る・見る・印刷するを一台で完結させる体験が心地よく、撮影からプリントまでの動線が短いのは実用品として強い。撮影現場でその場の空気を閉じ込めて渡せるから、家族の集まりやカジュアルなイベントで活躍しやすい。印刷の瞬間に場が少しだけ沸く感じも好きで、モノとしての存在感も「使っている時間」を印象づけてくれる。

三番手はinstax mini 12。とにかく迷わず使えて軽快、肩の力を抜いても楽しく撮れる安心感がある。直感でシャッターを切っても印刷まで滑らかに辿り着くので、初めての人と一緒でもペースが乱れない。「気楽さ」をそのまま写真に変えるタイプで、友人との時間に持ち出すと場の記録係になれる。

まとめると、表現の幅と没入感を最優先ならinstax mini Evo、撮影から配布までを一台で回す実用性ならコダック Mini Shot 3 RETRO、軽やかな導入と気楽な記録ならinstax mini 12。今回のベストチョイスはinstax mini Evo。撮る理由を増やしてくれるカメラは、日々の小さな出来事を少しだけ大切にするきっかけになる。

引用

https://www.fujifilm.com/products/instant_photo/instax/cameras/mini_evo/

https://www.fujifilm.com/products/instant_photo/instax/cameras/mini_12/

https://kodakphotoprinters.com/products/kodak-mini-shot-3-retro

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