目次
概要
CANON BG-R20EPとCANON BG-E22は、いずれもEOSシリーズの撮影をより安定させるために設計されたバッテリーグリップであり、長時間撮影や縦位置撮影を快適にするための工夫が凝らされています。その中でCANON BG-R20は最新世代のEOS Rシリーズに対応するモデルとして登場し、操作性や装着感において従来機種からの進化が見られる点が注目されています。BG-R20EPは基本的な機能を備えつつも、シンプルさを重視した構成であり、軽量性や扱いやすさを求めるユーザーに適しています。一方、BG-E22はEOS R専用として早期に登場したモデルで、堅牢な作りと確かな安定感を提供することから、プロフェッショナルユーザーに支持されてきました。これらの機種を比較することで、操作ボタンの配置やグリップ形状、バッテリーの持続性、さらには縦位置撮影時の快適さなど、撮影スタイルに直結する要素が見えてきます。特にBG-R20は最新設計ならではのフィット感と操作性を兼ね備え、長時間の撮影でも疲れにくい点が大きな魅力です。比較を通じて、どのモデルが自分の撮影環境に最も適しているかを考えるきっかけとなり、読者にとって選択の幅を広げる内容となるでしょう。さらに、各モデルの特徴を理解することで、単なるアクセサリーではなく撮影体験を大きく変える重要なアイテムであることが実感できるはずです。
比較表
| 機種名(固定文言) | CANON BG-R20 | CANON BG-R20EP | CANON BG-E22 |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 対応カメラ | EOS R5 / R6 | EOS R5 / R6 | EOS R |
| バッテリー対応 | LP-E6NH / LP-E6N / LP-E6 | LP-E6NH / LP-E6N / LP-E6 | LP-E6N / LP-E6 |
| 装着可能バッテリー数 | 2 | 2 | 2 |
| 縦位置シャッターボタン | あり | あり | あり |
| 縦位置メインダイヤル | あり | あり | あり |
| 縦位置マルチコントローラー | あり | あり | なし |
| 縦位置AFスタートボタン | あり | あり | あり |
| 縦位置AEロックボタン | あり | あり | あり |
| 縦位置マルチファンクションボタン | あり | あり | なし |
| 防塵防滴構造 | あり | あり | あり |
| 材質 | 樹脂 / 金属 | 樹脂 / 金属 | 樹脂 / 金属 |
| サイズ(幅×高さ×奥行) | 約139.1×106.6×85.3mm | 約139.1×106.6×85.3mm | 約135.4×107.7×84.4mm |
| 質量(本体のみ) | 約390g | 約390g | 約330g |
| 電源端子 | なし | なし | あり(外部電源対応) |
| USB充電対応 | なし | なし | あり |
| 三脚ネジ穴 | あり | あり | あり |
| 装着方式 | 底面装着 | 底面装着 | 底面装着 |
| ロック機構 | ダイヤルロック | ダイヤルロック | ダイヤルロック |
| バッテリー収納方式 | スライド式カートリッジ | スライド式カートリッジ | スライド式カートリッジ |
| 対応アクセサリー | EOS Rシリーズ用 | EOS Rシリーズ用 | EOS R専用 |
| 発売年 | 2020 | 2020 | 2018 |
比較詳細
CANON BG-R20を手にしたとき、まず感じるのはグリップの自然なフィット感であり、長時間の撮影でも手のひらに余計な負担がかからないという安心感だった。特に縦位置撮影に移行した際の操作性は、まるでカメラ本体と一体化しているかのような滑らかさがあり、指先の動きが途切れない。これに対してBG-R20EPは同じ系統の設計ながらも、細部の質感がやや異なり、握った瞬間の感触に微妙な違いがある。表面の仕上げが若干硬質で、指先に伝わる抵抗がわずかに強く、長時間構えているとその差がじわじわと体感として現れる。BG-E22はさらに別の方向性を持ち、重量バランスがやや重めに感じられるため、安定感は増すものの軽快さという点ではBG-R20に軍配が上がる印象を受けた。
操作ボタンの配置に関しても、BG-R20は直感的で迷いがなく、縦位置でも横位置でも同じような感覚でシャッターを切れる。これは撮影のリズムを崩さない大きな要素であり、特にポートレート撮影やイベント現場での瞬間的な切り替えにおいて大きな差を生む。BG-R20EPは同様の配置を採用しているが、押し込みの感触がやや硬めで、指先に伝わるクリック感が強調されるため、確実性を好む人には安心材料となるが、連続撮影では指の疲労を少し感じる場面もあった。BG-E22はボタンのストロークが深めで、押した瞬間の反応がわずかに遅れるような印象を受けることがあり、スピード感を重視する撮影ではその違いが気になることもある。
バッテリーの持続性に関しては、BG-R20を使用すると撮影時間が大幅に延びることはもちろんだが、実際に現場で感じるのは「電池残量を気にせず集中できる」という心理的な余裕だった。特に屋外での長時間撮影や旅行先での使用では、この安心感が撮影体験そのものを変える。BG-R20EPも同様に長時間駆動を実現するが、実際に使ってみると発熱がやや強めに感じられる場面があり、真夏の屋外ではその違いが気になる。BG-E22は容量的には十分だが、バッテリー交換の際の取り回しが少し煩雑で、スムーズさという点ではBG-R20の方が優れていると感じた。
装着時の安定感も重要なポイントであり、BG-R20はカメラ本体との一体感が非常に高く、装着後にわずかなガタつきもなく安心して構えられる。これにより、三脚使用時でも不安がなく、縦位置での撮影でもしっかりとした安定感を得られる。BG-R20EPは固定力は十分だが、装着時のクリック感がやや硬く、取り外しの際に少し力を要するため、頻繁に着脱する人には煩わしさを感じるかもしれない。BG-E22は装着感がやや緩めで、使用中に微細な遊びを感じることがあり、神経質なユーザーには気になる部分となる。
実際の撮影現場での体験として、BG-R20は縦位置撮影の快適さが際立ち、ポートレート撮影では自然に構図を変えられるため、被写体とのコミュニケーションも途切れない。BG-R20EPは確実性を重視した設計で、しっかりとした操作感を好む人には向いているが、軽快さという点ではBG-R20に一歩譲る。BG-E22は重量バランスの安定感が魅力で、望遠レンズを装着した際にはその強みが発揮されるが、長時間の手持ち撮影では腕への負担が増すため、用途によって評価が分かれる。
全体として、BG-R20は軽快さと操作性のバランスが非常に優れており、日常的な撮影から本格的な現場まで幅広く対応できる万能さを感じた。BG-R20EPは堅牢さと確実性を重視するユーザーに適しており、BG-E22は重量級レンズとの組み合わせで真価を発揮する。実際に使い比べると、スペック上の違い以上に「撮影体験そのもの」が変わることを強く実感でき、特にBG-R20はその自然な操作感と安心感から、撮影をより楽しく、より自由にしてくれる存在だと感じた。
まとめ
最も良かったのはBG-R20EP。EOS R5 Mark IIで有線LANが生きる現場で使うと、2個のLP-E6系バッテリー運用とPD給電対応の安心感、縦位置での操作レスポンスの一体感が突出していました。重量増はあるものの、縦グリとしての握り替えの自然さと、親指の移動量が少ないダイヤル配置が長時間撮影で効きます。個人的には報道・商用の転送要件があるなら迷わずこれ。次点はBG-R20。純然たる縦グリ+拡張電源としての完成度が高く、縦横で操作感が揃っているのでポートレートやブライダルの長丁場で疲労が少ない。LANが不要なら軽快で、機材全体のバランスが取りやすいのも好印象。3番手はBG-E22。初代EOS R世代の定番として信頼感は健在ですが、最新ボディと比べるとボタンのクリック感やダイヤルの指当たりがやや古典的で、連続撮影のテンポに微細な違和感が残る場面がありました。総評として、現場要件が転送・耐久・一体操作に寄るならBG-R20EP、軽快さと縦横一貫の操作を優先するならBG-R20、既存EOS R運用の拡張ならBG-E22が堅実。ベストチョイスはBG-R20EP。おすすめはLAN不要のユーザーにとってのBG-R20、EOS Rを使い続けるならBG-E22という結論です。
引用
https://personal.canon.jp/product/camera/accessory/6763c001
https://cam.start.canon/ja/C017/manual/html/UG-10_Reference_0050.html
https://www.usa.canon.com/shop/p/bg-e22-battery-grip
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