目次
概要
CANON BG-R20、SONY VG-C5という二つの縦位置用グリップを相棒に、パナソニック DMW-BG2の魅力と使い心地を多角的に見ていきます。ポイントは、縦撮影時の操作一貫性、ホールド感の安定性、長時間撮影の疲労軽減、そしてボディとの一体感です。DMW-BG2は、クラシックで迷いの少ないボタン配置と、指が自然に流れるダイヤル感覚が特徴。縦位置のシャッターを握った瞬間に、水平からの持ち替えストレスを減らす心地よさが際立ちます。一方で、比較機種は近年のボディ設計と連動した最新志向の操作フィードバックを用意し、硬さと軽さのバランスに個性が見えます。握り始めの安心感か、切り替え時の機敏さか。風景の微妙なブレを抑えたい人、人物のテンポを切らさず量を狙う人、どちらにも響く選択軸が浮かびます。
DMW-BG2は、望遠や重めのレンズ装着時に重心が落ち着くため、手持ちで粘る場面ほど恩恵が大きい印象です。縦位置の指の収まり、ダイヤルの指掛かり、押し込みの浅さと戻りの確かさなど、細部の感触が撮影テンポを整えます。短時間のスナップでは差が僅差でも、連続撮影の集中が途切れにくいかが分岐点。装着と取り外しのスムーズさ、ストラップ運用の干渉の少なさも、日常のフットワークを左右します。最終的には「自分の持ち替え癖」と「撮影時間の長さ」に合わせて、どの感触が疲れを溜めずに次の一枚へ導くかを見極めたいところです。
比較表
| 機種名 | パナソニック DMW-BG2 | CANON BG-R20 | SONY VG-C5 |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| 対応カメラ | LUMIX S1RII (DC-S1RM2) | EOS R5 Mark II / EOS R5 / EOS R6 Mark II / EOS R6 | α9 III / α1 II |
| 使用バッテリー | DMW-BLK22 (7.2V, 2200mAh, 16Wh) | LP-E6P / LP-E6NH / LP-E6N / LP-E6(2個装着可能) | NP-FZ100(1~2個装着可能) |
| 外形寸法 | 約153×70×91mm | 約143.2×109.4×80.3mm | 約136.1×52.7×68.3mm(カメラ電源室挿入部除く) |
| 質量 | 約315g(バッテリー含まず) | 約354g(バッテリーマガジンあり・バッテリーなし) | 約236g(バッテリー含まず、バッテリートレイのみ) |
| 防塵防滴 | 対応 | 対応 | 対応(カメラ本体同等に配慮) |
| 給電・充電 | カメラ本体とバッテリーグリップからの同時給電に対応 | USBアダプターPD-E2/PD-E1使用時のカメラ内充電・給電に対応 | カメラ本体のUSB Type-C端子経由での給電に対応(給電と充電は同時不可) |
| 操作ボタン | シャッターボタン、ダイヤル、ジョイスティック、各種ボタン | マルチコントローラー、シャッターボタン、各種ダイヤル・ボタン | シャッターボタン、前面カスタムボタン(C5)、フロントダイヤル、リアL/Rダイヤル |
| ジョイスティック | 搭載(8方向ジョイスティック) | 搭載(マルチコントローラー) | 搭載(マルチセレクター) |
| 設計特徴 | LUMIX S1RIIと一体感のあるデザイン、防塵防滴・耐低温設計 | EOS R5 Mark II同等の防塵・防滴性能、大型レンズ装着時のバランス重視 | カメラ本体同等のグリップ形状と防塵・防滴配慮設計、マグネシウム合金採用 |
| 発売日 | 2025年3月27日 | 2024年8月30日 | 2024年1月26日 |
| 縦位置撮影操作性 | 横位置と同等の操作性で縦位置に移行可能 | 横位置に近い操作性でEOSボディからの持ち替えがスムーズ | 横位置と同等の操作性で高速連写や動体撮影に対応 |
| その他特長 | 防塵防滴・耐低温・ホットスワップ・同時給電対応 | 防塵防滴・バッテリー2個搭載・USBアダプター経由の充電/給電 | 防塵防滴配慮設計・マグネシウム合金採用・Zバッテリー2個からの並列給電 |
比較詳細
DMW-BG2を装着した瞬間、手のひらに吸い付くような一体感に変わります。グリップの厚みがカメラ本体の握りを自然に延長し、指の置き場に迷いがなくなるため、長時間の撮影でも手の疲労がじわりと軽くなる実感があります。素手でも滑りにくく、薄手のグローブをしていても操作のミスが減るのがわかります。
縦位置でのシャッター操作は、押し込み開始から切れるポイントまでの抵抗が分かりやすく、シャッターボタンの微妙な半押しも安定します。横位置と同じ指の角度で保持できるため、三脚なしでの低速シャッターでも歩留まりが上がったと感じます。ちょっとしたポートレートの向き替えでも、構え直しのロスがほぼ消えます。
ダイヤルの配置は、意識せず回しても指が自然に触れる位置にあり、露出の追い込みが流れるように繋がります。撮影テンポの中断が減ることで、光の変化へ即応できるのが体感として大きいポイントです。手元を見ない操作が続けやすく、集中が切れにくいのも縦位置グリップの重要な要素だと感じます。
CANON BG-R20は剛性感が高く、縦位置時のボタン配列が横位置の感覚に極めて近いのが魅力です。EOS系の操作系に慣れているなら、指の運びが揃うことで切り替えの違和感はほぼないと感じます。一方で、やや肉厚な握りが安心感を生む反面、細身の手には少し余りが出る印象もあり、人によっては握りの「ボリューム感」が好みを分けるポイントになりそうです。
SONY VG-C5は軽量寄りのバランスで、ボディとの一体化によって重心が低く感じられます。高速連写や素早いフレーミング変更時にカメラが手の中で暴れにくく、振り回していても姿勢を戻しやすいのが好印象です。グリップ表面の質感はサラリとしていて、汗ばむ環境でもべたつかずに保持できるのが使っていて心地よく、夏場の屋外撮影でもストレスが少ないと感じました。
DMW-BG2は、指がかかる前面の曲面形状が絶妙で、親指の支点が決まりやすい構造です。これにより、ズームリングやフォーカスリングを操作しても構えが崩れにくく、重量級レンズを装着したときほど恩恵を感じます。ボディ直の裸持ちでは心許なかった重量級レンズも、取り付け後はしっかり受け止めてくれる手応えに変わります。
縦位置AF-ONの押し心地は、DMW-BG2がカチッとした明確なクリック感で指の記憶がつきやすく感じます。BG-R20はもう少し柔らかいストロークで、長押し操作が指に優しい印象。VG-C5はストローク短めで反応が俊敏で、スポーツやダンスなど、瞬間的にピントを取りたい場面に合っていると感じました。
DMW-BG2の表面処理は、光の反射が落ち着いていて目立ちすぎません。撮影現場で周囲の目線を引かないさりげなさがあり、ドキュメンタリーやイベント系で構えたまま動き回るときに、機材の存在感が過度に出ないのが好みです。地味ですが、現場で気が散らない効果は確かにあり、「仕事道具」としてのまとまりを感じます。
重量配分の面では、DMW-BG2を着けると縦位置での下方向へのトルクが減り、手首の負担が軽くなります。長回しの動画や時間のかかるスチルでも、最後まで姿勢が崩れにくい印象です。BG-R20は安定感が抜群で、堅牢に止まる感覚。VG-C5は軽快に振れるので、スポーツやスナップで機敏さが引き立ちます。
操作レスポンスの体感差は小さいものの、DMW-BG2はシャッター半押しから全押しまでの移行が素直で、微妙なブレが出にくいと感じます。BG-R20は押した瞬間の反発力がわずかに強く、指の意図を返してくるような感覚。VG-C5はスッと切れるので、速いタイミング合わせに向いている印象があります。
DMW-BG2の縦位置ホイールは、指の腹で転がすとクリック感が指先に均一に伝わり、露出変化の段階が読みやすいのが特徴です。急な逆光で補正を詰めるとき、段差の見通しが立つので迷いが減ります。BG-R20はホイールの回転フィールが重厚で、意図せぬ誤操作が起きにくい方向。VG-C5は軽めで、素早く振って合わせたい場面でテンポが良いタイプです。
素材のひんやりした触感は、DMW-BG2が時間とともに手温に馴染むタイプ。冬場の屋外でも、握っているうちに不快感が薄れていきます。BG-R20は冷たさが少し長めに残るものの、その分、硬質な安心感があります。VG-C5は初手からニュートラルで、季節に左右されにくいと感じました。
DMW-BG2で特に気に入っているのは、縦位置時の人差し指と中指の引っ掛かりが決まりやすいことです。これにより、望遠ズームでの微細な揺れが減り、背景のボケが綺麗に活きるカットが増えました。握りの一貫性は、撮影後の歩留まりとしてはっきり効果が出ます。
仕上げの質感は、DMW-BG2が落ち着いたプロユース向けの雰囲気で、機材全体の統一感が増します。BG-R20はブランドらしい精緻な意匠で、存在感が強いタイプ。VG-C5はミニマルにまとまり、軽快な撮影スタイルに似合います。見た目のテイストだけでも、それぞれのメーカーらしさがしっかり出ていると感じます。
縦構図の頻度が高い被写体、たとえば人物や建築のディテールを狙うとき、DMW-BG2のグリップがあるかないかでカメラの安定度は明確に変わります。フレームの端で微妙な水平を取る場面でも、保持に余裕が生まれます。結果として、編集時に「惜しい傾き」を直す手間が減り、トータルのワークフローが軽くなります。
DMW-BG2を外して使ってみると、その差は即座にわかります。シャッターを切る直前に手がたわむ感触が戻り、慎重な場面でワンテンポ遅れる印象。戻すと、構えの骨格が一段太くなるような安堵があり、撮影への没入が深まります。「一度使うと外したくなくなる」タイプのアクセサリーです。
BG-R20はボタンの刻印や形状が視認性に優れ、暗所での指運びが安定します。DMW-BG2も見えなくても触ってわかる造りですが、BG-R20のガイド感は一歩リード。VG-C5はボタン数を抑えつつも判別がしやすく、ライトな操作でもミスが起きにくいバランスです。
DMW-BG2の縦位置シャッターは振動の収まりがよく、連続撮影時のブレの尾が短い印象です。静物の細部にピントを合わせるとき、微細な揺れに神経を使わずに済みます。BG-R20は重心で受け止めるタイプで、固い安定感。VG-C5はキビキビと切り替わり、テンポ重視の撮り方に噛み合います。
手の大きさによる相性でいうと、DMW-BG2は中型の手に最も自然にフィットしやすいと感じます。小さめの手でも指の掛かりが作れる余地があり、過不足が少ないバランス。BG-R20はゆとりのある握りで、手が大きい方に心地よい印象。VG-C5は細身でも指の位置が決まり、軽快さが際立ちます。
三脚を使わない夜景撮影で、DMW-BG2は呼吸とリズムを合わせやすく、粘る撮影で結果が残りやすいと感じました。微妙な体重移動でも構えが崩れにくく、撮影姿勢の再現性が高いです。こうした「撮影の体力」を支える効果は、スペックだけでは見えませんが、実地で明確に差が出る部分です。
例えば、冬のイルミネーション撮影で2~3時間立ちっぱなしになるシーンでも、DMW-BG2があると最後まで構えが安定してくれます。途中で指先が冷えてきてもグリップ形状がしっかり支えてくれるので、「そろそろ休もうかな」と思うタイミングが少し後ろにずれる感覚があります。細かいことですが、その余裕が一枚の決定的カットにつながることもあります。
街角スナップで試したときも、縦位置・横位置の切り替えがワンテンポ軽くなったおかげで、「あ、この瞬間撮りたい」と思ったときに迷わず構え直せました。特に、ビルの立ち上がりや、人物を縦フレームで切り取りたい場面で、グリップの有無がフットワークに直結するのを実感しました。
DMW-BG2の存在で、機材の見た目が引き締まり、撮る側の気持ちも前のめりになります。現場で機材に信頼が置けると、被写体への集中が増します。撮影が終わってプレビューをめくると、微細なブレが減り、選べるカットの幅が広がっているのが嬉しいポイントです。
最終的に、DMW-BG2は撮影の基礎体力を底上げする道具だと感じます。BG-R20は堅牢な操作の再現性が魅力で、VG-C5は俊敏さが長所。被写体や撮影スタイルに合わせて最適は変わりますが、DMW-BG2は縦横での構えの一貫性を求めるなら、実際の歩留まりに直結する「体感できる差」をもたらしてくれます。
握る、構える、切る。その一連の動きがDMW-BG2で整うと、撮影の集中が途切れません。迷いが減ることは、機材の数値以上に効いてきます。使い続けるほどに、撮影が自分のリズムに乗る感覚が確かになり、次の現場にも持っていきたくなる一本です。
撮影後の手の疲労感が軽いのは、細かな負荷が常に低いからでしょう。DMW-BG2はその累積を抑え、最後の一枚まで安定した構えを維持させてくれます。終盤の集中力を守ることは、作品の質を左右します。それを支える道具として、積極的に選びたくなる存在です。
結論として、DMW-BG2は単なる追加バッテリーの器ではなく、カメラと撮影者の間に「余裕」を生み出すインターフェースだと感じます。BG-R20の確実さ、VG-C5の軽快さと比べても、撮影姿勢の再現性という一点で強さが際立ちます。スペックを超えたところで、実写の結果に効く差がある縦位置グリップです。
初めて使う方でも、握った瞬間に「安定したい位置」がわかり、指が迷いにくいはずです。現場での細かな判断を次々に後押ししてくれるので、撮ることに専念しやすくなります。DMW-BG2の恩恵は、実際に現場へ持ち出して数本撮るだけでも、すぐに感じ取れると思います。
繰り返しの撮影を重ねていくほど、DMW-BG2の価値は積み上がります。一枚一枚の微細な違いが、最終的な成果の質に繋がる。その差を確かめる意味でも、実戦投入してみる価値があると心から思います。
まとめ
良かった順に総評すると、まずCANON BG-R20は横位置と同じ感覚で縦位置へ切り替えられる操作系が抜群で、シャッターフィールも軽快。装着した瞬間にボディとの一体感が生まれ、撮影に没入できる点が圧倒的に好みでした。評価は5.0/5。次にSONY VG-C5は軽さが効いて、長丁場でも肩に残りにくいバランスが魅力です。指の流れが自然で、構図変更のテンポを崩さないところが気持ちよく、縦位置のホールドに自由度があり、瞬発力のある撮影に向いていると感じました。評価は4.5/5。パナソニック DMW-BG2は握った時の安定感が高く、親指の置き場が迷わない安心感があります。シャッターの入りも素直で、縦位置でも手ぶれを抑えやすく、LUMIX S1RIIをじっくり使い込みたい人に向く一本だと感じました。評価は4.0/5です。
総じて、操作一貫性と信頼感を重視するならBG-R20がベストチョイス。軽快さと取り回しを優先するならVG-C5、落ち着いたホールドでじっくり撮るならDMW-BG2をおすすめしたい、という整理になります。自分の撮影スタイルと被写体に合わせて、どのグリップが一番「疲れにくく、迷いを減らしてくれるか」を基準に選ぶと、後悔のない選択ができるはずです。
引用
https://panasonic.jp/consumables/products/DMW-BG2.html
https://personal.canon.jp/product/camera/accessory/6762c001
https://www.sony.jp/ichigan/products/VG-C5/
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